さて、平安時代の仏教界のカリスマ 伝教大師の登場です

伝教大師は神護景雲元年(767)、琵琶湖畔の古市と言う所で生まれています

この辺りは大陸から帰ってきた人(帰化人)たちが多く住んでいて、大師の父もそうであった伝えられています

12歳の時に仏門に入り、奈良 東大寺で得度

その後、比叡山に小屋を建て、そこで一切経を繰り返し読んだということです

この比叡山の小屋が後の延暦寺となるのです

さて、最澄が奈良で影響を受けたのが、唐から海を渡って来日した鑑真和上でした

この時、鑑真和上に出会ってなければ、一人の僧侶として歴史の渦に埋もれて行っていたかもしれません

やがて最澄は16番目の遣唐使として派遣されるのですが、この時同じ船に乗っていたのが弘法大師空海です

しかし、最澄は環学生(国から認められた僧侶 今でいう大学の教授)、一方の空海は一般の留学生ですから、2人の立場違っていました

最澄は天台山に登り、法華経、華厳経など様々なお経を持ち帰っています

この伝教大師が設立した延暦寺
当時は寺院というより、仏教の総合大学と言った方が近いのかもしれません

大師が唐から持ち帰ったお経の講義をし、その講義を受けた僧侶の中に、後の鎌倉時代に各々の理論をもって新仏教を立ち上げる法然、親鸞、道元、そして日蓮宗の開祖 日蓮聖人もいるのです