日本では、浄土宗の家庭が多いと聞きました。
それぞれの宗派の違いはどこにあるのですか?

浄土宗を開いたのは法然上人。
日蓮宗を開いたのは日蓮聖人。

人が違えば、考え方も違います。
浄土宗のお経は「阿弥陀経」
日蓮宗のお経は「法華経」です。

阿弥陀経は、阿弥陀仏がおられる西の極楽「西方極楽浄土」で仏様になりましょう、という教え
「他力本願」という言葉があります。一般的には「他人任せ」という意味で使われていますが、自らの修行の功徳によって悟りを得るのでなく、阿弥陀仏の本願によって救済されることです。

一方の日蓮宗の「法華経」
これは、この世に生きるすべての生き物、人も動物も植物がみんな仏になる可能性(仏性と言います)を持っているから、『すべての生き物の命に手を合わせましょう』という教えです。
「娑婆即寂光(しゃばそくじゃっこう)」という言葉があります。これは「私たちが生きているこの世界こそが、仏様の世界なんだよ」という意味です。
仏様がおられるのはあの世でもない、西方極楽浄土でもない。みんなが仏様の種を持っているんだから、この世
界こそが仏様の世界なのです。

「この世では仏になれない」という阿弥陀経の浄土宗と、
「この世こそが仏様の世界」という法華経の日蓮宗。
これこそが、二つの宗派の違いです。